絽刺し

日本で唯一の絽刺し
坪倉鳳祥 氏

「日本貝紫」と「日本茜」との融合

坪倉氏は、日本貝紫と日本茜という新しい素材と出会い、絽刺しと組み合わせることを模索しました。平成元年に吉野ヶ里遺跡の大規模な発掘調査の埋蔵物から出てきた絹の断片が日本貝紫と日本茜で染められた糸で織られた布だということが分かり、また、その昔吉野ヶ里遺跡ににしきの織物が存在し、2色で織り上げられた布を、倭では「にしき」の織物として最高位の人物が衣料にしたと伝えられておりました。
坪倉氏は、この「倭のにしき」を絽刺しに蘇らせようと考え、絽刺しの中に日本貝紫と日本茜染で染めた糸を使い織り上げました。

日本刺繍の一種です。
日本独自の世界にない刺繍です。

「三本絽」の生地に合う太さの糸で刺繍します。

絽目に合わせて刺繍する。縦方向にしか刺繍できないのが特徴です。また、爪等に引かかりがないことが特徴です。

絽刺しが出来上がった柄を三本絽の生地から切り取ります。

絽刺しの切り取った柄を、帯地にはめ込みます。
お太鼓の柄、お腹の柄をはめ込んだら出来上がりです。
出来上がった帯は、真夏以外の単衣の時期からあわせの時期に使うことができます。

このように帯地にはめ込み、縫い合わせます。また、この技術ができる職人さんも一人しかいません。